視線を変えたら基本に戻った!

先週OLYMUPUS社技術部の方と、新たなる超音波非破壊検査技術構築の第1回目の治験を行いました。
某仲買業者様の加工工場内でマグロの検査を行いました。
最も重要な判定項目に色合いと焼けを評価してもらいたいとの要望でした。
超音波で内部の色は見えませんので判定できません、焼けに関しても明らかにツナ缶レベルまで焼けたマグロは判定可能ですが、人によってばらつきがあります。
この両者とも実は基準がなく、誰かが良いマグロと評価したらそれは上級品になります
これら不可解な基準値に超音波データをそのまま乗せることは、不可能と考え新たなる品質評価表示方法と視線を変えたらなんと写真に示す操作方法が最も重要と気づきました。
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写真はマグロ超音波目利き操作マニュアルを最初に考案した時に最も重要操作として掲げていたものですが。
いつの間にか置き去りにされた操作方法です。
超音波の利点は表面観察ではなく内部を非破壊検査できることです。
ラウンドの状態で尻尾の切り口を切らなくても内部検査は0.3ミリ程度の空間分解能で観察できます
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ロインにおいても内部が観察できます。
置き去りにしてきた腹中挿入操作はブラインドになるのですが超音波画像をリアルタイムに観察しているのでナビを頭の中で構築しなくても勝手に手が動きます。誰にも観察することのできなかった脊椎周囲の観察評価が行えます。
無理に概念の異なる評価を統一することは不可能で超音波目利きは独自のモダリティーとなります。
超音波目利きは見ることのできない深部身質を科学的根拠に基づいて評価表示するだけに専念するものであり基本中の基本!今までとは全く概念の異なる目利き基準になるでしょう。それはあらゆる超音波透過性の良好な対象物に応用性は広まります。今回の治験はそれだけ多くの可能性を見出せたのです。